雑記 その3
「雑記 その1」「雑記 その2」の続き
~椅子の進化~
明治から昭和初期にかけて、椅子張りが一つの職種として社会的地位を
確立したものの、椅子はまだ皇族や華やかな社交界だけのものでした。
その椅子が一般の人々と関わりはじめたのは、やはり今日の日本経済を
築きあげた高度成長期時代にあるといえます。
当時、団地が増え、核家族が増え、各家庭において、いわゆる“所有の時代”
といわれた頃でした。誰もが電化製品や車などに憧れを持ち、洋風の暮らしを
目指していたのです。ベッドや家具などは欧米の暮らしを彩るモノとして人々を
魅了しました。
そのなかでも「椅子」は、例えば事務用として、または娯楽施設や飲食店用
として場所に応じた多様なカタチが誕生し、社会や文化に違和感なくとけ込んで
いきました。一方、一般家庭における「椅子」は、リビングに椅子のある暮らしを
求められたことから、狭い居住スペースに適したシンプルなカタチがトレンドに
なりました。
現在では、技術の革新や新素材の開発、ニーズの多様化によって椅子の
カタチも進化しています。また、椅子造りにおける大幅なコストダウンによって
「安価で高品質」という椅子も続々と誕生しています。椅子の「進化」は今後も
立ち止まることなく続いていくはずです。
[弊社カタログより抜粋]
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